ミミズクと夜の王

http://www.mediaworks.co.jp/3taisyo/13/13novel1.html

13回 電撃大賞受賞作。
寓話的というかお伽話的というか、シンプルでキレイなお話。食べやすい感じではある。
読んだ後「ぬるいオタが好みそうな話だなぁ」という違和感を感じてしまった。
描写の偏り具合はセカイ系のそれに近いし、お伽話にしては不協和音が足りないせいで厚みに欠ける。
検索してレビューをいくつか読んでみると、ああなるほど構造的に脱脂されてる部分に気がついた人もちらほら。
作者自身はあとがきの中で「安い話でいいのだ」と明言している。
しかし売り手はまた別で、脱ライトノベルを図ったが逆にライトノベルの限界を示してしまった…という感じ。
感じた違和感の正体はたぶん、この本のパッケージングが適切ではないことだと思う。
ライトノベル的に読めるお伽話、というのが適切なラベルなのだけど、この本は表紙といいオビといいライトさがない。
あくまでも「ライトノベル」として読む分にはお薦めできる一冊。フルボディの存在感のある童話を期待するとがっかりすると思う。
どのあたりがお薦めなのか全く書いてないことに気がついたが、シンプルな話だけに書きにくい。ご容赦頂きたい。

ミミズクと夜の王 (電撃文庫)

ミミズクと夜の王 (電撃文庫)