Android Walkman NW-F807

今まで NW-X1050 を使ってたんですが、容量16GBだとロスレスの曲を入れるには厳しかったので10月20日発売の NW-F807 を調達してみました。

2chのNW-F800シリーズスレに書いたことや指摘された問題を以下に書いておきます。

プレイヤーアプリの選択

Google Playストアから色々な音楽プレイヤーアプリをインストールすることができます。

主なプレイヤーの特徴を表にしてみました。

自前デコーダ flac replaygain gapless 歌詞表示 Shift_JISタグ 無料継続利用 アプリ名
y y n 可能だが形式によっては音飛びする 標準 W.ミュージック
y y y y n ? 広告あり DeaDBeeF Player
y 可能(※1) 有料 有料 ? 制限つきで可能 Winamp
y y y y y 試用期間15日 PowerAMP
y Pro 有料 Pro ? ? 制限つきで可能 MyTunes
y y y y LRC file ? 試用期間5日 Neutron Music Player
y y y y n 試用期間14日 GoneMAD Music Player
y y n y y ? 試用期間30日 Astro Player Nova
y y n DSPプラグイン(CPU消費増加) y ? 試用期間7日 PlayerPro
y y n n n ? 広告あり Mixzing
n (Android 3.1+) n n LRCファイル(有料版のみ) 修復ソフト配布 可能 Meridian
n (Android 3.1+) n n ? ? 可能 Zimly
n (Android 3.1+) n n n ? 可能 KENWOOD Music Control
  • ※1: 有料オプションのはずですが、F800では無料版でも再生可能という報告がありました。Android 3.1以降ではシステムデコーダFLACを再生できるため、制限が緩和されているのかもしれません。

実際にコレを全部買ってF807で試聴してみました。

W.ミュージックは音が悪いと断言していいと思いますw 作り物っぽい音で高音が劣化したように感じられます。アンプの傾向が過去のウォークマンと大きく異なるのを、プレイヤーがムリヤリ似せようとして失敗した感じです。FLAC形式以外の再生では曲の境目の前後で音飛びが発生するという報告がありました。

無料で一通りのことができるWinamp や完成度の高いPowerAMP が無難だと思いますが、音質的には GoneMAD Music Player が優れていました。PowerAMPよりクリア感があって、W.ミュージックより自然です。歌詞表示こそありませんが、gapless再生やreplaygain対応も可能。音飛びも他プレイヤーより少ないようです。

mp3のID3タグにShift_JISが使われていた場合、PowerAMPだと一部文字化けするものがあるようです。Winampだと読めたという報告がありました。

不要なアプリの無効化

Android 4.0以降ではプリインストールのアプリを無効化することでメモリやCPUの浪費を避けることができます。今回は音楽再生とWebブラウザ以外のアプリで止められるものは全部止めてみました。無効にしたアプリの一覧はこちら。

W.コントロールは無効化すると本体横のW.ボタンをスクリーンONボタンとして使えるようになります。W.ミュージックを使わないのならW.コントロールも不要です。なお残念ながらW.ミュージック自体は無効化できないようです。

mora や music unlimited は無効化しました。SCEはプレイ履歴や録画履歴の無断公開をやっている(現在進行形)、プライバシー侵害を平気で行う企業です。ソニー系列企業の情報サービスなんて使う気には全くなれません。

付属イアホンの音割れ

付属イアホンと標準プレイヤーで低音を強調した設定にすると付属イアホンが音割れする問題が報告されています。

FLAC データの転送

この製品、FLAC 対応が売りなのに付属ソフトウェアのx-アプリではFLACデータを転送できません。

PCにUSB接続するとUSBストレージとして認識されるので、普通にエクスプローラDnDしてファイルを転送することができます。

操作性

再生/停止や曲送りを行う物理キーがないため、ポケットの中で手探りで操作することが困難です。

NW-X1050 との音質比較

  • W.ミュージック => 使わない
  • W.コントロール => 使わない
  • 付属イアホン => 使わない
  • x-アプリ => 使わない

という偏った感じになってしまいましたが、この条件で NW-X1050 との音質比較を行なってみました。曲データのファイルフォーマットは NW-X1050 ではATRACロスレス、 NW-F807 ではFLACロスレスです。イアホンはどちらも e-Q7 を使いました。NW-F807 ではプレイヤーアプリに GoneMAD Music Player を使いました。 曲はジャンルの違うものを複数使用しました。

ソースの旨味やアラをストレートに表現するのはFの方です。Xは逆に音の整え方が上手く、ソースが多少荒れてても聴きやすい感じになります。
Fは音のつながりが自然で空間に余白がある感じになります。Xは逆に音にメリハリがあって、このイアホンだと特にキラキラした感じに聞こえます。

Fはイアホンを耳につけた直後は少し物足りない感じです。Xはイアホンを耳につけた直後は少しやかましい感じです。どちらもそのまま聞いてると数分でしっくりきます。

Fの方が低音はちょっとだけ厚いです。これが強調なのか、アンプに余力があるのかは私には分かりませんでした。Xの方がホワイトノイズがちょっとだけ多いです。FとXのどちらが聞き疲れしにくいかはこの二点とソースの相性で決まると思います。

Android端末としての評価

画面が小さいのはいいんですが、タッチパネルの出来がAndroidの中でも悪い方に入るため文字入力などで操作ミスが目立ちました。ソニー製品なのにPOBox Touchを内蔵していないのも微妙です。CPU/GPUのスペックはAndroidの最新からするとかなり古めで、RAMも512MBとゲーム用途にはやや物足りません。DAPではなくAndroid端末が欲しい方は、中古屋でAndroidスマートフォンを購入したほうが幸せだと思います。

まとめ

標準のままで使った場合、単に転送が不便で音が悪くて操作性の悪いDAPです。付属イアホンや付属ソフト、標準プレイヤーアプリが残念な出来であり、その回避にかなり時間を使うので、普通の人には全くオススメできないと思います。

しかし本体ハードそのものは音楽プレイヤーとして高水準だと思います。一通りの手間をかけると、最終的には音のいいFLAC再生機が出来上がります。自由度の高いDAPが欲しい人なら検討の価値はあるでしょう。